トランス脂肪酸の
ご心配について
近年、一部のメディアを中心に、トランス脂肪酸の健康への影響が指摘され、消費者の皆様にはご心配をおかけしています。
トランス脂肪酸については過剰に摂取すると冠動脈疾患のリスクが高まるとの報告がなされ、WHO(世界保健機関)でも摂取量を「総エネルギー摂取量の1%未満(平均的な日本人で約2g未満)」にするよう勧告しています。しかしながら、欧米に比べ、日本人の平均的なトランス脂肪酸の摂取量は少ない傾向にあり、一般的な食生活では健康への影響は小さいとされています。また、食品メーカーの取り組みにより、食用油脂に含まれるトランス脂肪酸の量は、従来のものより大幅に低減されています。下記にまとめましたので、ご覧ください。
ミヨシ油脂は10年以上前からトランス脂肪酸の低減化に取り組み
安心してお使いいただけるマーガリンをお届けしています。
「バターのかわりに使うもの」というイメージがあるマーガリン。実は、バターには出せないおいしさが出せるのです。たとえばパンの食感。サクサク、ふわふわ、もちもちなど、マーガリンの種類を変えることで、さまざまなおいしさが表現できます。また、バターと比べてクセが少ないので、小麦本来の味わいなど、素材の風味も引き立ててくれます。気になるトランス脂肪酸も、今ではバターのおよそ半分ほど。植物性なのでコレステロールもほとんど含まない、体にやさしい食品なのです。
含まれるトランス脂肪酸は、バターの約半分。
「トランス脂肪酸が気になるから、マーガリンの代わりにバターを使う」とおっしゃる方がいます。いえいえ、とんでもない誤解です。油脂メーカーの努力もあって、今やマーガリンに含まれるトランス脂肪酸は、バターの約半分にまで低減されました。100gのバターには1.9gのトランス脂肪酸が入っていますが、同じ量のマーガリンには0.99gしか入っていません。バターもマーガリンも、安心してお召しあがりいただける食品なのです。
自然の食品にも、たくさん含まれています。
「それでもトランス脂肪酸が気になる!」という方へ。知っていましたか? 牛肉や牛乳、バターなど、天然の食品の中にもトランス脂肪酸はたくさん含まれているのです。牛や羊などの反芻する動物では、胃の中の微生物の働きでトランス脂肪酸ができてしまうからです。でも、ご安心ください。私たち人類はそれを何千年も食べて生きてきました。トランス脂肪酸がそんなに体に悪いのなら、とてもじゃないけど霜降りの牛肉なんて食べられませんね。
食材 | トランス脂肪酸含有量(100g中) | 一般的な食事量 / トランス脂肪酸含有量 |
---|---|---|
牛肉和牛サーロイン | 0.77g | 200g / 1.54g(1食分) |
牛乳 | 0.089g | 200g / 0.178g(1食分) |
バター | 1.9g | 10g / 0.19g(1食分) |
生クリーム | 1.1g | 205g / 2.5g(1パック) |
プロセスチーズ | 0.89g | 20g / 0.178g(1パック) |
ナチュラルチーズ | 0.81g | 20g / 0.16g(1パック) |
- ※トランス脂肪酸含有量は、農林水産省「トランス脂肪酸に関する情報 食品中の脂質とトランス脂肪酸濃度」より引用。
今やマーガリンは、低トランス脂肪酸食品です。
下の表は今の食品と、8年前の食品100g中に含まれるトランス脂肪酸の量を比較したものです。たとえばマーガリンでは、8年前に8.7gだったものが、今は0.99gにまで減っています。製パンによく使うショートニングなどは、10分の1以下にまで低減されました。かつてトランス脂肪酸のことで問題視されたマーガリンですが、低減の努力を続けた結果、今では「低トランス脂肪酸食品」になっています。
商品名 | 平成18年-19年調査トランス脂肪酸含有量(100g中) | 平成26年-27年調査トランス脂肪酸含有量(100g中) | 一般的な食事量 |
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トランス脂肪酸含有量 | |||
マーガリン | 8.7g | 0.99g | 10g |
0.099g(ひとかけら) | |||
ショートニング | 12.0g | 0.99g | 10g |
0.1g(ひとかけら) | |||
食パン | 0.077g | 0.03g | 62.5g |
0.0187g(6枚切り1枚) | |||
ロールパン | 0.26g | 0.1g | 35g |
0.035g(1個) | |||
菓子パン | 0.27g | 0.18g | 80g |
0.144g(1個) | |||
クッキー | 1.9g | 0.19g | 8g |
0.015g(1枚) | |||
シュークリーム | 0.49g | 0.19g | 80g |
0.152g(1個) |
- ※トランス脂肪酸含有量は、農林水産省「トランス脂肪酸に関する情報 食品中の脂質とトランス脂肪酸濃度」より引用。
日本人の食生活なら安心です。
たしかにトランス脂肪酸を過剰に摂取すると、HDL(善玉コレステロール)が減って、LDL(悪玉コレステロール)が増え、心臓疾患のリスクが高まるという研究報告があります。このためWHO(世界保健機関)では、トランス脂肪酸の摂取量を「総エネルギー摂取量の1%未満」にするよう勧告しています。でも、これは牛肉や乳製品をよく食べる欧米での心配事。日本人のトランス脂肪酸摂取量は0.3%と、WHOが勧告する1%を大きく下回っています。日本人がトランス脂肪酸の取り過ぎになる心配は、まずないといっていいでしょう。
WHOの1日の摂取勧告量は「総エネルギー摂取量の1%未満」。日本人では1日当たり約2g未満に相当します(総エネルギー平均:約1,900 kcal)。毎日約200g(およそ1箱分)のマーガリンを食べなければ、WHOが注意を促す摂取量には達しません。
引き続き、トランス脂肪酸の低減に取り組んでいきます。
過剰摂取しなければ問題はないと考えられていますが、摂取量をできるだけ低く留めておくことが望ましいのがトランス脂肪酸です。このためミヨシ油脂では、10年以上前からトランス脂肪酸の生成量の少ない加工油脂を使うことで、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸量の低減に取り組んできました。例えばかつて、部分水素添加油脂を使用していた弊社汎用マーガリンのトランス脂肪酸量は、製品100g中11gだったのが、今では1%未満と10分の1未満に低減されています。天然食品のバターと比べても、含まれるトランス脂肪酸の量は約半分です。今やマーガリンは「低トランス脂肪酸食品」の1つになっているのです。
クロワッサンのようなサクサク感から、食パンのふんわり感まで、パンやお菓子のおいしさを生みだすために、さまざまな食用加工油脂が使われています。より安心して健やかな食の世界をお楽しみいただくために、ミヨシ油脂は今後ともトランス脂肪酸の低減に取り組んでまいります。